本当は優しくない行為を、

優しさだと思ってあなたは私に贈って

私はそれを優しさだと受け取って

それを積み重ねたらとても虚しくなったんだ

こんなもの?こんなもの?

こんなもの、こんなもの、

正解は知らないけど

それが正解でないことには

どこかで気づいていた

水を飲んでもあなたを思い出す日々です

リアルに思い出すほど

正解は分からなくなる

ただ、すこしボヤけた記憶であなたとの時間をたどるとき、

私たちの間違いを知るのです

甘ったるい息の音

視線とか体温も

偽物じゃないから

そこにある間違いが輪郭を持てずに私たちの間に生まれて大きくなってしまったのです

私たちは私たちでいなくてはいけない

他の人たちと同じである必要はないけど

私たちらしく笑っていなくちゃいけなかった

私たちらしく最高にしあわせだったらよかった

あってもいいけど

なくてはならないものにはなれなかった

あの日会いたかった

全部言った、言いたいことは全部言ったと泣いた

本当に言いたかったことは、言えなかった

言ってほしかったことは分かりきっていたのに

平気なふりをして

でもそんな言葉が欲しいばっかりに嘘をついて

そんな自分の行為が自分に突き刺さる夜

さよならと言いながら泣いた

あなたは不思議そうな顔をした

まだ分からないのか

分からないふりをしているのか

たぶん後者で

ねえ私に必死になれなかった人、

あなたと私の温度差がとても苦しかったけれど

あなたももしかしてそうだった?

そんなこと聞いてもどうしようもないけど

足元に咲いた小さい花を摘んで指先でくるくるとまわした

ねえきれいね

こういうどうでもいい話をあなたとたくさんしたかったけど

あなたはこういうのをつまらなそうに聞いてたね

嫌なことを思い出すときは

いっぺんに思い出していっぺんにあなたのこと嫌いになるの

私は長い長い夢を見ていました

夢がさめて

束の間の冷静な日常を経て

またいつか夢を見るんだろう

そしてその時にまたあなたの影を見たりして

嫌になったりして

あぁとにかくさよならだ

ありきたりな不幸せはもういいんだ