変わっていこうとする私の目の前で、 たったいま変わっていく最中のひと、 変わることをやめたひと 寒いはずの昼間に春のようなあたたかさを感じることが不思議なように 電車内のアナウンスの穏やかさがいつもと変わらないのが不思議になるほど 変わらない世…

いま、私は大人になっていく途中だと思う 10年前、「あなたは私達が思っているよりずっと大人なんだよね」と言われた でも、全然ちがうとおもった なにもわからないと思っていた なにもわからないから大人じゃあないって でも当時の私は自分がおもっていた以…

「戯曲は誰かの1日を特別にするためにある」 この言葉がこんなに痛かった日は、もう来ないと思う 殴りこむような千秋楽 こんな感情が、1日で終わってたまるか これが、紙に書かれた物語だったら、ヒューマンドラマに分類される物語だったら、私は色々と文…

やってらんないんだ お酒みたいな恋が目の前にあっても あなたの何でもない写真に心をやかれる なにを見ても あなたの虚ろな影に根を張っていた その夢がまだ覚めきっていないらしい。 「しあわせ」のなかで幸せになりきれなかった。 私はいつもそう 選んで消…

あなたがいた世界から、抜けられていないことは知っていた。 あなたがいた世界の延長で、 でもさ、私は確実に、変わったつもりでいたんだよ なにか、薄まっていくものの中で、ようやく息継ぎができるくらいの気持ちになって 完全にあなたを責める気持ちにな…

本当は優しくない行為を、 優しさだと思ってあなたは私に贈って 私はそれを優しさだと受け取って それを積み重ねたらとても虚しくなったんだ こんなもの?こんなもの? こんなもの、こんなもの、 正解は知らないけど それが正解でないことには どこかで気づ…

終わらないんだ 終わらないんだよ むりやり新しいものを抱えたって 風を感じたって あなたを想いたい気持ちは続いていくんだ そういうふうに生きたいと あの日そう願って呪いをかけたんだ 自分にさ だから終わらせたいと思ってじたばたと体力を削るの意味は…

ふわっと思いがけないところに花が咲いたような 思い出せない不思議な触感 あわい こんなに輪郭の薄いものだったか なにかと勘違いしているのか ただ新しい世界を見ようと思ったんだ あまりこわくない ただわくわくしている そんな幼い心でいる

1年前と同じような軌跡をたどる おかしいな、あなたを選んで、あなたに選んでもらって、あなたとじゃれて、歩いて、進んできたつもりだったけれど もっと変わっていたかった いまからでも遅くないかい もう隣を歩くことは叶わないかもしれない それでもかま…

春がくれば、 あなたはまた桜の花びらが風に舞うその向こうで朗らかに笑うのでしょう 緩やかな洋楽の似合う笑顔 切なさなんて忘れているようで肌身離さず持っているようで いろんな言い訳を盾にして私を一思いに刺した そのときの表情を作った要素なんか一つ…

脈絡もなんにもない文章のなかで、私は自分を見つけなくてはならない。 そこには相手もいない 自分しかいない紙の上で、自分だけが文字を綴る そこに他人の気配はない 未来の自分に手をいれられることも望まない ずっと 迷っていて 終わったと思った 悪い癖…

強い言葉であなたを弾いて、 あなたが向こうに飛んでいったのを見た。 でも、あなたは私の傍に帰ってきてくれると思ったんだな。 愛されていると、思っていたかったんだ。 でもあなたは飛んでいったっきり、私の傍には帰ってきてくれなかった。 ごめんって謝…

私の理想はきっとあなただった あなたで間違いないと思うための過去があった ちらつく過去に 曲げられない今 お互いに少しずつ不安を持って だけどそれを丁寧に埋めていく 雨の降らない夜 聞かないでほしいこと でもいつかあなたに話したいこと 喉にひっかか…

あなたが、私と話したいと言った。どうでもいいことを話して、3時間が経った。あなたはまだ話し足りないみたいだった。あなたは昔、私では話し相手として物足りないと言った。だけれども、私はあなたと色んな話をしてきたと思う。あなたの話に驚き、感心し、…

堂々巡りの思考のなかで、あなたは私を失ったことを悔いていた でも、じゃあ私が再び傍にいればいいのかと言われればそれは違うだろう そんなことは、あなたも私もわかっている でもあなたは私を誘ってしまうし、私は誘われ出てしまう

町を縫う 花のかおりと 明星と 忘れぬあなたの 影となりゆく 町を縫う 花のかおりと 明星と 色刷るあなたの 影となりゆく

まだ終わりきってない 冬の夜の寒さの中 あなたは力いっぱい私を抱きしめた まだ、もう、まだ、もう まだ、ソメイヨシノは咲いていなくて、 あなたの後ろ姿は変わらなくて、 でももう、あなたと歩いた道の日差しは暖かく、梅がほころび、 あなたが隣にいない…

走り出せ 自分の時間を売る その2時間であなたを世界に繋ぐための素材が得られるなら安いもんさ 「こちらからあなたを誘うことはもう無い」 2回の誘い文句のあとで私の手を掴んであなたはそう言った。 何に期待して、どうして私の手を掴んだのか あなたに…

また悲しい別れがこの先にあったんだとしてもそれはあなたを大事にしない理由にはならないから 「あなたとの別れは、悲しみ抜くと決めた」 そんな私の言葉に、あなたは意外そうな顔をした 悲しかったのか、と。 そんな当たり前が通じていなかったのかとこち…

「この話、もうこれ以上面白くならないと思う」 私が図書館から借りてきた本を半分程度読み、彼女はそう言った。 そう、と私は答えた。その作家のものは読んだことがなかったし、借りる前に最初の1、2ページに目を通しただけの本にあまり期待はなかった。 そ…

なんとなく、あの人と離れて歩いた冬の日の終わりが身体の芯までしみ込んで、 これを乾かしきらないほうがいいのか そんなことを迷う春の日の中です あの人の心を正面から貫くキラーチューンを私にくださいレジェンド 私はその歌を彼の家の狭いキッチンで、 …

許せないことへの消せない怒りを、せめても静かに隠す どうしようもない不安を心の表面に浮かべ、揺蕩う様をどうにでもなれと眺める 一番聞いてほしいことも聞いてもらえていないのに何が私を型どっていたのか それはどうしてあんな人に恋焦がれたのか、その…

あなたの気持ちを無下にしたことに泣きじゃくる私に、あなたは謝ることをやめた。 そうしたほうがいいと私が言ったし、 実際にそちらのほうがよかった。 でも、それで、あなたがなんと言うかは分からなかった。 泣いてみて、あなたを困らせて、 そして初めて…

私が欲しがったものもその心地良さもよく覚えている 花が咲くような 甘いような 冬もこの世界をじんわりとあたためた希望 だけどなにか変わったんだ おかしいと感じることも諦めたら あなたの心配した未来がすぐそこで待っていた 知らない人の未来予知は道を…

「いい?この歌はいつでも君の味方」 聞いたこともないあなたのセリフが歌う声でリフレインする あなたをなくしてもなんとか死なないで歩いていた冬の終わり あの日に私は確かに強くなった 同時にあなたの居場所が私の中からなくなってしまった もっとあなた…

わがままを言っている 「欲しがり」と言われながら 両手を広げるあなたにさらに求める あなたの前で何回も何回も泣いて その理由をあなたの色んな部分に結びつけて でもその本当の理由は私のなかの弱さ汚さ あなたは謝る ちょっと反省する 私の弱さを責める…

10年前だ、どうしようもない気分で泣いていたとき、そのどうしようもなさを知っていてくれた人がいたことを今になって知る どうしようもなく呆けた夜が終わり、綺麗な自分の手をかざし、その向こうに呆けた自分を心配して手を差し伸べてくれていた人がいるこ…

生活感と憧れとが入り交じっている。 流れていくタイムラインには美しいドレスと簡単に作れるレシピとが入り交じり、 日々の計画の中には叶わない予定が流れ込む。 うまく、うまく、生きていかねば。

なにか、書くべきものを、 心の中でひっかかる何者かを、見落としていないだろうか?と思う ひさしぶりに、ていねいに心の内を書き出す作業が必要なように思う ポジティブな面も、ネガティブな面も 嬉しい楽しい、充実した気持ちの裏 自分の気分の谷を恐れる…

迷い続けている 間違っていたと思う日も 間違っていなかったと思う日もある ただ間違っていたのではないかと思う日のその心の向きが自分を見つめているような気がする。 なあ ほんとうはわかっているんじゃないか 誰にも言えない揺れのその答えを 「わかって…